ヤミ米業者と農協 7
私は指定された場所に移動し、そこで初めて本人と対面しました。
今回のコメ集荷をめぐる激戦の一方の当事者。
商店社長の細山さんは、50代の中肉中背の人でした。
顔にしわを刻んだ、ごく普通の中年でした。
そして、実によくしゃべる人でした。
今回の騒動についての細山さんの言い分は、公聴会でのものと同じだったので、ここでは繰り返しません。
彼は、問題となった倉庫内にどんなコメが入っていたのかという私の質問には答えず、一般論のような形をとりながら、自説を展開していったのでした。
「こっちは、お客をたくさん持っているんだ。
それも、食堂とか弁当屋とか、コメを大量に買っていくなじみのお客をな。
それを、コメの不作によるからとか、上からの命令によってとかいって、売るコメがありません、なんていえるか?」
細山さんはよほど腹にすえかねていたのでしょう、顔をいくぶん紅潮させながらまくし立てました。