ヤミ米業者と農協 9
93年に起きた大凶作は、コメの集荷に大きな問題を残しました。
農協、食糧庁の懸命な努力にもかかわらず、ヤミ米への流出に歯止めはかけられませんでした。
政府管理米の集荷量は、最終的に生産量の5割、400万トンそこそこにとどまりました。
ヤミ米の増加は、冷害によるコメの収穫量のダウンが大きな引き金となって加速されたものといえるでしょう。
凶作に見舞われ、収量が落ちたからこそ、生産者は自分のコメを少しでも高く売って減収をカバーしたいと切実に思い、庭先からの出荷を増やしたのでしょう。
収入のダウンを防ぎたいと思うのは、当然のことです。
ある生産者が、はっきりとこう語っていました。
「高く買ってくれる人に売ろうと思って、コメを農協に出さずに持っている。
250俵はあるかな。
相手の値段を見て、俺が、売るところを決める。俺が作ったコメだから」。